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ふゆゆん亭

ふゆゆん亭

私が読んだ本・9

●読んだ本●


「前夜 上」「前夜 下」リー・チャイルド著

小林宏明=訳  講談社文庫





 






■あらすじ(抜粋)

(上)

ベルリンの壁が崩壊し、
世界が冷戦終結に向けて動き始めた1989年暮れ、

機甲師団の将軍が死体で発見された。


場所はうらぶれたモーテル。


重要な会議に向かう途中、
なぜ片道500キロの寄り道をしてそんな所に行ったのか?


続いて彼の妻が遠い自宅で、
デルタ隊員が基地内で惨殺される。



(下)

世界各地の米軍警察指揮官が
いっせいに異動させられていた。


パナマからノース・カロライナへ
突然転属になったリーチャーもその一人だった。


誰が、
何のために?


死んだ将軍が出席するはずだった
秘密会議の議題がすべての鍵を握る。


激変する時代の波にもまれる軍の指揮を離れ、
リ-チャーは真相を探り始める。



〈2005年英国バリー賞最優秀長編賞受賞作〉







■感想

リー・チャイルドの作品を読むのは初めてで、
軍隊モノを久々に読んだ私には

軍隊内での組織中心の世界が
とてもきっちり伝わって来て、

なかなか興味深かった。


調べたら、
どうやら元軍隊大尉だったリーチャーのシリーズが人気で、

私がたまたま手に取って読んだこの本は
若い頃の特別編のようだ。


軍隊と言う組織の中では
上からの命令が絶対であり、

正義も義務も
全て命令の方が優先される。


そんな中で
リーチャーが上司に離反して

大将とその関係の人達の
死の真相を突き止めようと奔走する。


パリに住む病気の母への思いを抱え、
いつも冷静で淡々と行動していくリーチャー。


リーチャーのシリーズ物のファンにとって
その始まりの話しは思い入れが特別なようだ。


それでは私は
リーチャー・シリーズを読まなくちゃね(^ω^)!



2009・10・23・水






●読んだ本●


「夜が終わる場所」クレイグ・ホールデン著

近藤純夫=訳  扶桑社ミステリー









■あらすじ(抜粋)


アメリカ中西部の小都市の朝。

警官のマックスとバンクが
デニーズで変わりばえのしない朝食を待っていた。


その時、
警察無線が少女の失踪を報じた。


夜勤明けの二人は
招集に応じる義務はなかったが、

バンクはマックスを引っ張るように少女の家に向かい、
母親の前で号泣した。


だが、
バンクの涙にはもっと深い意味があったのだ。


二件の失踪事件は複雑に呼応し、
驚くべき真実に到着することになる。


「ラスト・サンクチュアリ」の著者が放つ
重厚な警察小説。







■感想


読み出してすぐに魅了された。


これは、
ほぼマックスの目を通して書かれている小説だが

現在の事件と、
マックスとバンクの出会いの子供時代の頃から

青年時代、そして現在に至るまでの
二つの流れに沿った話が

途中から交互に書かれている。


引っ越して
転校していじめられていたマックスと、

両親を亡くして
里親の下で暮らしていたバンク。


二人の少年時代の思い出も
現在の生活も、

緻密で丁寧な心理描写が
彼らの友情と生活を
共に過ごしたような気持ちにさせる。


深く深く、
心の奥に入り込んで行くような

静かに強く心を揺さぶられる
味わい深い、濃い小説だった。


推理小説としても
文学作品としても素晴らしいと思った。



実は途中でこの本を読んだ事があるぞと
気付いたが、

細かい事はみんな忘れていて
哀しい物語だったと言う記憶しかなかったので

改めて楽しむ事が出来た。


二人の人生を共に過ごしたような
そんな気持ちになった。


昔読んだ時に私に伝わった悲しみは、
今回は人の思いの違いや

環境が人に与える影響や
人は何をどう選ぶかとか

様々な方向に枝分かれして
より内部に入り込んで読めたと思う。



静かな思いと
内に秘めた激しい怒りに彩られた
人の心の彩。


人は何故罪を作り出すのだろうか。

人は何故愛が必要なのだろうか。


憎しみと愛は表裏一体となって
危ういものを抱えて
みんな生きているのかな。




うまい言葉が見つからないのだが
人の心の複雑な交差や

人の生き方をしっかり描いた
私の大好物の小説だった。


「人間」に興味のある方は
一読してどうだろうか?







●読んだ本●


「氷姫―エリカ&パトリック事件簿―」カミラ・レックバリ著

原邦史=訳 集英社文庫












■あらすじ■

海辺の古い邸で
凍った美しい女の全裸死体が見つかり、

小さな町を震撼させた。


被害者が
少女時代の親友でもあった作家エリカは、

幼馴染の刑事パトリックと共に
捜査に関わることに。


20年以上疎遠だった親友の半生を遡ると、
恐るべき素顔が覗く。


画家、漁師、富豪・・・・・・・
町の複雑な人間模様と風土に封印された

衝撃の過去が次々明らかになり、
さらに驚愕の・・・・・・。

 
戦慄と哀歌。

北欧ミステリの新星、登場!







■感想■


北欧だし、
真冬の物語だし、

題名が「氷姫」だしで
寒々しく苦しい内容だろうと思って読み始めると

主人公のエリカも
幼馴染の刑事パトリックも

自分に正直で行動的で
生き生きしていて元気一杯だった。


それで辛い内容にも関わらず
元気を貰えるサスペンスだった。


人それぞれの価値観が
その人の人生を作り上げて行くのだなぁと
思った。


そして、
親の考え方・対応の仕方は

子供の一生を変えてしまう力があるのだから
親は苦しくても

自分の楽な考え方に
逃げ込んではいけないのだと
思った。


何が大事か、
しっかり踏ん張って考えておこう。


エリカとパトリックのコンビが
スウェーデンでは大人気だそうで、

シリーズ物が4作も出ているそうだ。


「氷姫」で再会したエリカとパトリックが
この先どう活躍して行くのか興味津々である。


集英社さん出版してね♪








●読んだ本●


「臨場」横山秀夫著  光文社








■目次■


赤い名刺
眼前の密室
鉢植えの女


真夜中の調書
黒星
十七年蝉





■あらすじ■(抜粋)


‘終身検視官’、死者の人生を救えるか--。

辛辣な物言いで一匹狼を貫く組織の異物、
倉石義男。

その死体に食らいつくような
貪欲かつ鋭利な「検視眼」ゆえに、

彼には‘終身検視官’なる異名が
与えられていた。

誰か一人が
特別な発見を連発することなどありえない事件現場で、

倉石の異質な「眼」が見抜くものとは……。


組織と個人、職務と情。警察小説の圧倒的世界!






■感想■


この春にテレビ朝日で放送された
ドラマ臨場」の原作が
母の本棚にあったので読んでみた。


母は買うだけ買って
読まなかったようだ。

まっさらな本だった。


ドラマの倉石は烈しく厳しい男性で
周囲の人達が巻き込まれ、

倉石の何一つ見逃さない
検視眼の特異性を表現しようとするあまりに

少し雲散臭さが感じられた。


だから原作は期待しないで読み始めたのだが
小説は短編集のようになっていて、

事件毎に
倉石の周囲の人が主人公になって

その人の視点から見た事件や
倉石の行動が描かれている。


それは確かに倉石の特異性を
浮き上がらせる効果があって

少しずつ倉石の人と成り、
捜査に対する

身を削るような
真摯な生き方が伝わって来た。


それまで読んだり
wowowドラマで見た横山秀夫の作品は

警察の内部の権力争いや
男同士のぶつかり合いがやたらと烈しくて

必要以上に刺激し合い
挑発し合うシーンが多くて

人間の小説と言うより
「男の小説」と言うイメージがしていた。


硬い文章と表現が重苦しくて
実は苦手な作家だったのだが、

「臨場」は人の弱さや切なさや
儚さや優しさを感じる

胸に沁みる小説だった。


横山秀夫の小説を読んで
初めて感動した。


じんわりと残るあたたかみを
胸に感じて

気持ち良く読み終える事が出来た。


こんな感じの小説なら
もっと読みたいと思った。








●読んだ本●


「顔のない狩人」アイリス・ジョハンセン著

池田真紀子=訳  二見文庫







■あらすじ■(あらすじ)

「ボニーを殺したのはフレイザーではない、私だ」
ドンと名乗る男は、電話でイヴにそう告げた。

イブの愛娘ボニーは何年も前に殺害され、
遺体はまだ見つからない。

が、凶悪犯フレイザーが犯行を自供し、
死刑になった。

なのに、真犯人は別にいたのか?

動転するイヴは、
姿なき男ドンが仕掛けた
戦慄のゲームに否応なく巻き込まれていく!


『失われた顔』につづきイヴの活躍を描く娯楽巨編!





■感想■

一人娘のボニーを
フレイザーに殺された

複願像製造の専門家のイヴは
心の傷を癒すために

南太平洋の島にある
大富豪の友人の別荘で暮らしていたのだが、

そこへフレイザー事件の被害者と思われる
新たに発見された遺骸の複願を依頼しに

ボニーの事件以来親友となった
アトランタ市警の刑事ジョー・クインが迎えに来た。


このクインと、
イヴの友人のジョン・ローガンが

イヴの取り合いをするいがみ合いが
私にはちょっと滑稽に見えて、

劇的な設定を狙い過ぎじゃないかと、
事あるごとに子供っぽいケンカをさせ

「どちらも大事な友人」と言うイヴに対して
ちょっとうんざりした。


それ以外の謎解き部分は
結構楽しめた。

ボニーの亡骸を求めるイヴの執念や
クインの行動力や

最後がハッピーエンドになっている事から
悲しみを少し緩和出来た。


途中の狙われる所や
ラストでの詰めが少々乱暴な気がしたが、

50円で買った本にしては満足だ(`・ω・´)




去年読んだ本なのに
感想がずーーっと書けなくて

あやふやな感想になってしまったーー( ̄_ ̄ i)









●読んだ本●


「わたしのなかのあなた」ジョディ・ピコー著

川副智子=訳 早川書房








■あらすじ(抜粋)


アナ・フィッツジェラルドは13歳、
白血病を患う姉ケイトのドナーとなるべく

遺伝子操作によって
デザイナー・ベイビーとして生まれてきた。


それ以来彼女は、
臍帯血の提供にはじまって、

輸血や骨髄移植など姉の治療のために
さまざまな犠牲を強いられてきた。


ケイトの病状は一進一退を繰り返し、
両親はついに

残された最後の手段である
腎臓移植を決意する。


だが、アナはこれを拒み、
弁護士を雇い

両親を相手取って訴訟を起こす。


「こうこれ以上、姉の犠牲にはなりたくない。
 自分の体に対する権利は自分で守りたいの」

と。


突然の娘の反乱に戸惑う両親。
しかし、アナの決意は変わらない。


はたして前代未聞の裁判の行方は?


そして
ケイトとアナの姉妹の運命は・・・・・・!?


全米の紅涙を絞った
感動と衝撃のベストセラー、
ついに日本上陸。






■感想


13歳のアナ・弁護士のキャンベル・母親のサラ
父親のブライアン・アナの訴訟後見人のジュリア

アナの兄のジェシーの
6人の視点から書かれている文章構成で、

それぞれの思いや感情や立場がよく解り
感情移入しやすかった。

その分だけ、
読み進めるのが辛くて辛くて時間が掛かった。


難病の子供がいる家庭の大変さが
ひしひしと伝わって来た。


私の友人にも体の弱いお子さんがいて
上のお子さん達は淋しい思いをしたのだろうと
改めて思った。


友人はいつも限界まで頑張っていたのだが
転んだだけで何度も骨折したり、

集中治療室に何度も運ばれる子供がいたら
他の子供達の優先順位が下になってしまうのは致し方ない。

命を助ける事が最優先順位になるため、
誰にもどうしようもない訳で

その後遺症は子供達が大人になってから
現れて来た。


誰しも親から愛されたいし、
受け入れてもらいたいし、
最優先してもらいたいのだから。



アナは姉を救うためのデザイナー・ベイビーで
自分が姉のためにだけ存在すると感じていて

そうれはもうその設定を考えただけで
ぞっとする状況だ。


自分を大事に出来る訳がない。


緻密に描かれた心模様の後で
苦しい結末が待っているのだが

私はガックリしてしまった。


現実とは厳しいものだと知ってはいるが
小説と解っていても

この世の中の理不尽さに
ブレイクンハートである(・ω・`)


それぞれの立場から見える現実は
誰もが一生懸命であるだけに
過酷な人生を歩む家族の辛さが身に沁みた。


親の選ぶ道で、
その場その場の対応一つで

子供たちの心は
どこまでも振られてしまう。


構成力、文章力、観察力、伏線
全てが素晴らしかったので
残酷な人生への苦しさが一層募った。


命についても考えさせられた。


子供は親の持ち物じゃない
と大きい声で言いたくなった。


読んだ人それぞれが抱える問題を
浮上させるような小説だなと思った。




2010・1月始め頃










●読んだ本●


「喪失」カーリン・アルヴテーゲン著

柳沢由実子=訳 小学館文庫








■あらすじ■

18歳で裕福な家を捨てて、
ストックホルムで
ホームレス同様の暮らしを続けてきた
32歳の女性シビラ。

ある晩中年男性に
食事とホテルの客室を奢らせることに成功するが、
翌朝になって愕然とする。

その男性の死体が発見されたのだ。

殺害方法は猟奇的で、
シビラは有力な容疑者として警察に追われる。

さらに同様の殺人事件が続き、
すべてが彼女の犯行とみなされる・・・・。

食べ物も寝場所もない極限状態から
たった一人で真相に挑んでいく。


2000年ベスト北欧推理小説賞受賞。
世界20カ国で翻訳されている。







■感想■

シビラが
猟奇殺人犯として追われるようになり、

戸惑い怯えつつも
生き抜く知恵を絞りながら逃げ廻る生活と、

シビラが
家と社会を捨てて一人で生きるようになった

子供の頃の経緯が
織り交ぜて書いてある。


シビラの母は
自分の子供が特別である事を望み、

従順と盲従と行儀の良い社長令嬢を
シビラに望んだため、

母の要求が満たされなかった場合
全ての責任はシビラのせいにされた。


この辺が私の母と私の関係にそっくりで
非常に共感してしまった。

しかも非社会適合者と来ている。


その非社会適合者であるシビラが
逃げ廻り、怯えながらも

自分の生と権利を守るために
真実を探り出して

真犯人を見つけると言う、
ある意味

サクセスストーリーとも言える
サスペンスで、

最終的には非常に痛快なのだが、
シビラの育成環境を考えると

あのしぶとさを
どこから得たのだろうかと思ってしまった。


愛されない子供は
どうやって孤独を凌ぐ事が出来るのだろうか?

取り合えず心の孤独を埋めてしまうよりも
孤独を選ぶ強さを

シビラはどうやって身に付けたのだろうか?

なんて考えてしまった。


スウェーデンのヤングアダルトは数冊読んだのだが、
大人向けの小説は他に読んだ記憶がない。

シビラの心のひだを丁寧に書いてあり、
とても読み易くて面白かった。


ただ、最後がちょっと不満だった。

ネタばれになるので、
これから読もうと思う人は読まないで欲しいのだが、

私がシビラなら子供を捜しに行くと思う。


よそに預けられた子供が幸せかどうか、
見届けなければ私は安心出来ない。


自分が愛の無い家庭で
孤独に育ったのであれば尚の事、

自分が産んだ子供が
幸せに暮らしているかどうか
不安になるのではないかと思う。


著者は愛のある家庭で育ったから
この話で

厳しい環境に置いたシビラ以外の家庭には
愛があると

無意識のうちに
考えているのではないかと思った。


家庭の中なんて
よその人には全く見えないものだ。

こっそり隠れて観察しないと
見えないものが一杯埋もれている。


だから私なら
絶対確認に行く。


暫く近くでこっそり観察し、
子供がしっかり生きているようであれば

その時こそ
姿を消せば良いのではないかと思う。


自分の問題だなんて言い切る所が
納得行かない。


家も社会も捨てるほどに孤独で傷付いた人が
そんなに楽天的になれるのかなと思った。


個人的にはラストの締めが不満だったが、

読み応えとしては
とても良い小説だった。


ただ、
両親が悪者にされたままなのが
気になった。

角度を変えて見ると
違うものも見えるんじゃないかなと思っているので。


いつかシビラが
母を許せる日が来ればいいなと思った。











■ちなみにカーリン・アルヴテーゲンの大叔母は
「ながくつしたのピッピ」「やかまし村の子どもたち」

「名探偵カッレくん」などの著者で有名な
アストリッド・リンドグレーンである。



スウェーデンの作家で検索をしていたら
カール・ラーションが出て来た。

とても暖かい絵を描く作家で
スウェーデン人とは知らずに
作品を愛でていた私だった・・・(^^ゞ




2010・01に読んだ





●読んだ本●


「月の精」 シャスティ・シェーン著 

中村圭子=訳 高田美苗=画 文溪堂









■あらすじ(抜粋)

成績がよく、きれいで、
スタイル抜群のシンディ。

しかし、
なぜか心にはポッカリ穴があいている。

幸せそうに見えて、
じつはバラバラな家族。

両親のいいあい。
自分に頼る母親。

シンディはいつのまにか、
やせることで悲しみを追いだそうとする。

<拒食>と言う、
とてもつらい方法で。






■感想

著者のシャスティ・シェーンは
ノルウェー・オスロー生まれ。

北欧のヤングアダルトは
質が高い。


読み終わる頃に
11年ほど前にも読んだ事を思い出した。

読んでいて
それほど印象が違った。

そして、以前気付いていなかった事が
今は色々見えた事に気が付いた。

11年の間に私も変わったのだと
感じた。



「月の精」は
中学2年の秋から3年の終わりまでの
一年半ほどの期間の

少女の繊細で複雑な心境を
丁寧に綴ったヤングアダルト。


少女が何故拒食症になったのか
徐々に負のメビウスの輪に絡め取られる様子が
とてもリアルに伝わって来た。


反面、
シンディがどうしてこんなにもデリケートで
壊れやすいのかが解り難かった。


シンディの環境で、
その性向が生まれるものだろうか?
と思ってしまった。


カウンセラーと出会ってから、
自分を立て直す様子は頼もしくも
その難しさが窺い知れた。

「あなたのように他の人との境界線がない人は
 生きていくのが難しいのよ」

カウンセラーにシンディが言われたこの言葉は
私の問題でもある。


私も人と自分の境界線がないので
人の問題も
自分の事のように苦しんでしまい
客観的に整理したり観察したり出来ない。

以前は世界の問題全てを背負っていたので
悲しくて苦しくて生きているのが辛かった。


私は境界線が無さ過ぎる人間なので
動けなくなるほど苦しかったんだと思う。

戦争も犯罪も差別も病気も不公平も
私のせいではないと

やっと最近思えるようになって
歯軋りが減ったし病気も減った。


私とシンディは
どうして人と自分の境界線が引けないんだろう。

そこが知りたい。

この11年で
私が自分を知った事の一つが
この他人との境界線の無い人間故の
生き辛い苦しみだ。


私の場合は
自分の感情に鈍くて無視してしまうので

他人との境界線が
引けないのかもしれない。


シンディはお母さんと自分の境がない
と言う設定だった。

読んでいて
そこの苦しみは少ししか解らなかった。



でも心の叫びが軋みとなって
身体と繋がって行く様子がひしひしと伝わって来た。


きっと著者は沢山の取材をして
拒食症の人に会ったのだろうと思った。

拒食症の人達の
メビウスの輪が見えたのだろうと思う。

だから
自分でも知らない間に絡め取られて行く様子が
解り易かったのだと思う。


優先順位が狂っていると
心と身体が訴えるのだろうと思う。

苦しいよ、苦しいよって
訴えるのだろうと思う。



そんな事を考えながら読んだので
心の刺激になった本だった。



2010・03・始め





●読んだ本●


「凶器の貴公子」ボストン・テラン著 

田口俊樹=訳 文春文庫








■あらすじ(抜粋)

変死した青年の角膜により、
視力を取り戻した男デイン。

恩義ある青年の死の謎を追いはじめた彼を待つのは
悪辣な者どもの潜む陰謀の迷宮だった。

死者から光と愛とをひき継ぎ、
デインは敢然と死地へと乗り込むが――。


「神は銃弾」で「このミステリーがすごい!」を制した
天才テランの最新作。

雷鳴と銃撃が彩る壮絶な愛の物語。








■感想


図書館でたまたま「凶器の貴公子」と言う
変わった題名に惹かれて借りて来たのだが、

文章が韻文詩のようで
隠喩に満ちていて

謎掛けのような文章が
歌のように流れて行く不思議な世界だった。


ミノタウロスの迷宮について
何度も言及されて
この本の主流を成すものとなっているのだが、

殺伐とした事件も、
美しい文章で彩られて行くので

この文章の意味は何をなぞっているのだろうか?
これは何の隠喩なのだろうか?と

考えを巡らせる時間がとても多くて
読むのにひどく手間取り時間が掛かった。


デインとの会話も
一筋縄ではいかない禅問答のような
抽象的なやり取りが多いため

これはどう言う意味なんだろうか?
何が言いたいのだろうか?

どう受け取るべきなんだろうか?
どこまで広げて解釈すれば良いのだろうか?

と一々考えつつ、
時々前に戻って会話をチェックし直したりたりで
やはり時間が掛かった。


デインは時々隠喩的な表現をし、
過去についてもひねった発言が多い。

それも読んでいて始めは気付かずに
後で気付く、

と言った具合で
私にとってはずっと謎に満ちた人物であった。


そして破滅配達人のフェン兄弟の言動は
とても解り易かった。

普通に悪人だったから。









息子を失くして
嘆き苦しむ実業家のネイサン・グリーン。

恋人テイラー・グリーンの死の謎を解明すべく
こっそり資料を集めていたエシー・ロー。

ネイサンと共に苦しむ恋人のアイヴィー。
エシーと寝たい野心家の地方検事ロイ・ピンター。

ロイの恋人で地方検事補、
セクシーでやり手のフレッシュ。

ネイサンとベトナムで
死地を乗り越えて来た戦友《将軍》。

将軍の娘クローディアと
その夫チャールズ・ギル。

テイラーと親しかった
ポール・カルーソと妻のサンチョ・マリアは
エシーを心配し、
テイラーの角膜で視力を取り戻したデインを
暖かく向かえる。


デインは紳士的であり優しく穏やかに接する
親しみやすい青年だが、
デインがネイサンの招待を受けたのは理由があった。

そしてその誰にも言えない理由によって
デインは縛られ
孤独に苦しみながらも

エシーと協力し合って
テイラーの死因を調べて行く。


少しずつ解ってくるネイサンの立場と
その周りに集まっている人々の

欲望と生き様が交差して
とても複雑な様相を呈した

心の綾を表現している
読み応えたっぷりのミステリ小説だった。


久しぶりに小説と言う世界を堪能した。


時々この日本語は正しいのかな?
と翻訳に疑問が湧く事もあったが、

隠喩だらけの文章も
結構楽しく味わう事が出来た。


サスペンス、推理物と一言で片付けられない
味わい深い小説だった。

好みが分かれそうだけど。




























■自分の感覚の喜びのために、
 テランの独特の表現を感じた所を
 あちこち抜粋しておく。

(ネタバレになるかもしれないので
 これから読もうと思う人は読まない方が良いと思う)


●P129
 デインは彼女のほうを向いた。その顔にまともに陽が差した。

「今のぼくはそのすべてを受け容れているところだね。
 眼を喜ばせてくれるその単純さを、受け容れて、自分に言い聞かせている。
 ここに住むことを想像するのは、なんて簡単なことかって。
 それに・・・・・・・思いきり自由になるのも、なんて簡単なことかって」

―・―・―・―・―・―・―・―

美しいデルタ地帯の感想を
デインがエシーに話しているのだが、
詩的だよねぇ。






●P152
「父親はもう死んでいて、
 母親は自分が死んでいることにまだ気付いていない。
 だから、時々思うことがある、
 よけいな荷物など何ひとつ持たない二十五歳になれたらどんなにいいかって。」

―・―・―・―・―・―・―・―

始めは軽く読んでいたのだが、
事情が解るにつれて
デインの背負う荷物の重さが
私にもひしひしと伝わって来た。

この
『よけいな荷物など何ひとつ持たない二十五歳になれたらどんなにいいか』

は、最初エシーが二度ほど続けて言い、
この言葉を聴いたデインもまた口にする。

その後も何度か出て来るこの言葉は
エシーとデインの思いを強く伝えるものだった。






●P153
「われわれはみんな思考力だけ授かって生まれた私生児なんじゃないかって、
 そんなふうに思うことがある。」

―・―・―・―・―・―・―・―

なんとデインの孤独を滲ませた言葉だろうか。

確かに生まれる時も死ぬ時も
人は一人で立ち向かうものだと思った。






●P233
「そこでわれわれは自問自答する。
 どうして戦わなきゃならない?
 どうして考えなきゃならない?
 どうして気にしなきゃならない?
 どうして試さなきゃならない?
 どうして投票しなきゃならない?
 どうして文句を言わなきゃならない?
 どうして逃げなきゃならない? 
 どうしてそもそも存在しなきゃならない?ってね」

彼女は震えだした。

「だったら、われわれにはほかにどんな選択肢が残されているのか?」
とデインは言った。

「口実をつくる?・・・・・堕落する?・・・・・
 燃え尽きる?・・・・・それとも坐して死を待つ?」

―・―・―・―・―・―・―・―

エシーがテイラーの死について調べて来た事と
自分達がしている事について、

デインがエシーに今の気分を尋ねて会話をした後の
デインの言葉なのだが、

沢山並んだ自問自答に何故エシーが震え出したのか
今何度も読み直してようやく解った。







●P248
 デインは自分の手を見た。煙草から立ち昇っている煙を見た。
それは今日ロックの町並みの屋根から立ち昇っていた
亡霊の意思表示のような靄に似ていなくもなかった。

デインは深い感慨と古い記憶をにじませてから言った。

「根拠を説明し、声音を決め、誘惑で蓋をしたら、
 あとに残されたものはもうひとつしかない・・・・・終わらせることだ」

「そんなことを誰に教わったの?」

デインは悲しげにエシーを見上げた。
「それを言ったのは・・・・・ぼくの父親だ」

―・―・―・―・―・―・―・―

こんな会話を日本人がしたら、
きざったらしくて空々しくて笑ってしまう。

英語だとカッコ良く聞こえるに違いない。
なんだろうな、この言語の響きによる印象ってものは。






●P249
「今夜わたしは告白をした」と彼女は言った。

彼には、彼女のボディソープと香水のにおいが
美しくもまた現実からいくらかずれたもののように思えた。

「そして、約束をした」
彼女は彼の眼を見すえた。そこに未来があった。

「過去に告げたの――」
彼女は上体を倒して、彼の首すじにキスをした。

「――わたしは生きつづけるって」
彼女の唇が濡れた空気のように彼の頬を這った。

「いき続けるって」
彼女は彼の唇を見つけた。
彼には彼女のキスが夢でしか思わなかったキスのように感じられた。

「いき続けるって」
重力のない一瞬が過ぎた。

「わかった?わたしたちは生きつづけるの」
自分たちはどんな町のどんな男でも女でも――

―・―・―・―・―・―・―・―

この畳み掛けるような繰り返しに
胸の奥を揺さぶられるように感じた。







●P260
殺された夜、あいまいで漠とした何かが醸成される中、
テイラーが机に向かっている姿をデインは思い描いた。

「われわれはみな秘密を持っている」デインは上体をまえに倒した。
「それをわれわれはそれぞれのやり方で隠した。それぞれのやり方で隠す」

―・―・―・―・―・―・―・―

これは死んだテイラーの家の机の前に座り
デインが独り言、
もしくは亡くなったテイラーに向けて語っている所だ。

秘密を隠したまま亡くなってしまったテイラーに
秘密を隠しているデインが語るこの言葉には

亡くなった人にしか語れない
デインの気持ちが
この小説を最後まで味わった今なら
理解出来るようだ。







●P289
「こんなにきれいなところを第二の故郷にしたくない人なんているんだろうか?」

とデインは言い、さらに何か言いかけ、ためらい、
ビールを飲んで丘の上の子供たちを見つめた。
考えを吟味しているのか、
ネイサンはデインの唇と頬がぴんと張りつめているのを見た。

「でも、ネイサン、ぼくはこんなことも思ってしまう。
 故郷にいて幸せな人なんているんだろうかとね。
 たとえこれがここみたいなところであったとしても」

デインはビールを飲み干し、缶がへこむまで握りしめた。

「こんなにきれいなものはどんなものであれ、
 われわれを宿無しにするんじゃないか、
 なんらかの形でわれわれを失望させるんじゃないかとね。
 それはもちろん、われわれがその美しさに値しないということだけど」

―・―・―・―・―・―・―・―

これはネイサンとデインの会話だが、
デインのストイックさがひどく気になった。

自然の美しさと子供たちの無邪気さに囲まれているからこそ
デインは己や周りの大人の穢れと後悔を強く感じているのだろう。

こんなにも美しく己を罰する人に出会ったのは
初めてかもしれないと思った。







●P292
 その道は五フィートほどの落差のある水のない川床にまっすぐ向かっていた。
自転車の男の子は白い歯を見せ、白眼を剥き、片手でハンドルを握り、
もう一方の手に凧をつなだ糸を持ってそこに突進した。

「つまり、ネイサン、それがどんな人であれ、
 ぼくは完璧な人生を送っていない人の完璧な共犯者ということさ」

宙に浮いた瞬間、男の子の耳の中で風が騒ぎ、その瞬間、彼はそれ以上行けないこと、
それ以上飛べないことを悟って、凧をつないだ糸を放そうとした。

―・―・―・―・―・―・―・―

これは、土手で凧を飛ばしている幼い一人の少女と二人の少年たちの
生き生きとして明るく活発で純粋な喜びと動きを見ながら
ネイサンとデインは現実的で計算高いやり取りをしている
実に対照的で印象的なシーンだ。

ここの遠方の描写と手前の大人二人の会話は
背景と文章に深みと遠近感と生活観をもたらす
実に見事な文章だと思った。







●P304
「おれの言ったことが聞こえてることとおれのことを聞くこと、
 これはふたつのちがうことだ」

―・―・―・―・―・―・―・―

ポールがデインに話した言葉の一つ。
なんて迂回した言い方なんだろう。







●P314
「愛に圧倒されてしまうかもしれないと思って、
 怖くなったことはない?
 打ちのめされるぐらいに圧倒されるんじゃないかと思って」
彼女は尋ねた。

「どうして愛だけに圧倒されないことがある?
 ・・・・・・・ほかのどんなことについても
 そういうことは起こりうるのに」

―・―・―・―・―・―・―・―

エシーとデインの会話だ。

エシーが言ったことはまだ解るけれど
私の具体的な脳ではデインの言葉が何を意味しているのか
しばらーーく考えた。

圧倒されるほどの愛か・・・。
圧倒されるほどの愛を恐れる・・・。

想像が付かない。

私の場合は、
ほかの事による圧倒を恐れるのは容易だった。







●P350
「とにかくおまえさんがやられるところは見たくない。
 それだけだ、デイン」

 デインはうなづいて言った。
「こうしてあんたと一緒にいる時間は、
 いずれすばらしい思い出のいっぱい詰まった時間になるはずだ。
 ぼくはそれに値する人間なのかどうか。
 気になるのはそれだけだな」

―・―・―・―・―・―・―・―

ポールとデインの会話。

ポールやサンチョ・マリアの話は実際的なので解り易く、
デインの話は隠喩に満ちていて抽象的なので
眠っている脳を起こさないと理解出来ないって訳。







●P361
 デインは彼について格納庫のほうに向かった。
何も訊かず、何も言わなかった。ネイサンが立ち止まり、デインも立ち止まった。

近くで双発機のプロペラがまわりはじめた。
その音が徐々に大きくなった。ネイサンはじっとデインを見つめていた。

デインを覆っているものの鍵をこじ開け、
何かをその中に見いだそうとするかのように。

「私は今でもきみと一緒にいて安全か?」
「安全でないわけがない、ちがう?」

―・―・―・―・―・―・―・―

ネイサンとデインの会話なのだが、
この切り返しの会話は

デインの特有の言い方で、
それは今の環境と状況がそうしているのか
デインの性格的なものなのか
結局最後まで解らなかった。







●P376
 疑惑にがんじがらめになりながらも、
ネイサンはデインのことばに逃れようのない奇妙な痛みを覚えた。

「どうして話してくれなかった?」

「あんたは正直さを売り込む完全無比の宣伝マンのなすべきことは何か、
 ということを忘れている。
 黄金のルールは沈黙だ・・・・・・ちがうか?」

 デインはバッグを見て、銃を見た。
そして、ネイサンの眼をまっすぐに見ることでその視覚の旅を終えると言った。

「ぼくの眼を見ても息子さんに会うことはできない」

ネイサンは何かを言おうとした。が、できなかった。

「あんたをこけにしたのはぼくなんじゃないかとあんたは思ってる」
とデインは言った。

「だろ?・・・・・・・返事はなし?・・・・・・・
 返事はなし・・・・・・・では、誰が嘘をついているのか?
 誰が沈黙のカードと白を切っているのか?いったい誰が?
 あんたはぼくがあんたをこけにしたと思っている。だったら、好きにすればいい。
 少なくともあんたが信用しているクソ野郎ぐらいには
 ぼくにもタフなところがあるところを見せてあげるよ」

―・―・―・―・―・―・―・―

読めば読むほどデインの会話のすり替え能力?
フェイント力?に感嘆するばかりである。

私に無いもの、フェイント力。
私が欲しいものの一つ、フェイント力!






●P432
 エシーは腕を椅子の背にかけて振り向いた。
彼女の煙草の煙が天井に向かって立ち昇っていた。
彼女はデインを見つめて言った。

「ゆうべサンチョ・マリアにこんなことを言われた、
 わたしたちはもう充分やったって。
 だから、わたしたちは知ってることを全部話して、
 このことはもう終わりにすべきだって」

彼は風車を見つづけた。その木製の羽根が生ぬるい風を受けて回転し、
その中で光がストロボスコープのように点滅するのを見つづけた。

「で、きみはなんて答えたんだ?」

「"どうすれば充分やったってわかるの?それはあきらめるまえなの?
 あとなの?"って言った」

「きみたちはふたりとも正しい」

―・―・―・―・―・―・―・―

エシーとデインの会話なのだが、
一々感心してしまう。

エシーがサンチョ・マリアに問いかけた
諦める前か後か、
と言うとても大事な部分が私の胸に響いた。

私も持っている事なんだろうと思う。
諦める前か後か。

いつも前に諦めるから自信がないのかな
私は。






●P452
「"ママの"なんて名前がついているレストランじゃ食事をしないこと・・・・・・」
 デインはポールを引っぱりあげながら、あとを引き受けて言った。

「ドクなんて名前の男を相手にポーカーはやらないこと・・・・・・」

 ポールはデインに一ダース・パックを手渡し、バンガローを指差した。
石を敷いた小道を歩きながら、ふたりはコーラスした。

「・・・・・・自分が抱えている問題より厄介な問題を抱えている相手とは
 絶対に、金輪際、決して、寝ないこと」

「いいかい」とポールがデインの肩に手を置いて言った。
「ゆうべベッドにはいって考えてたんだが、おまえさんのイニシャルはDとRだ。
 つまり"ドクター"だ。
 だけど、まさかさっきの格言のドクとはちがうよな、ええ?」

「ポール、沈黙は金、じゃなかったっけ?」

―・―・―・―・―・―・―・―

これはポールとデインが初めて出会った夜に
ポールが語った事を、
二人で掛け合っている所だけれど
やはり最後のデインの切り返しに参ってしまった。






●P508
「きみはなんで身を守る?」

「このふたつのいい眼で」とデインは答えた。

そのことばはネイサンの心を酸のように焼いた。
「言ってくれるもんだ」

―・―・―・―・―・―・―・―

全く言ってくれるもんだ。

どんな気持ちでデインがこの言葉を発したのか書いてないので
非常に思索を刺激された。

隠す事で何倍にも膨らむものって
あるもんだなと思った。

テランの素晴らしさを感じる所でもある。












それにしてもひらがなだらけで
漢字が少ない。

ひらがなは一瞬で意味を理解出来ないので
読むのに時間が掛かる。


斑さんが言うとおりに
出版社が若い人に媚び過ぎていないか?

読み辛いです。

ひらがなは
全部読み終わってようやく意味を解するため
文章を読み飛ばし出来ない。

漢字は意味が脳に残るので
すっ飛ばして読めるのに。

ページ数も
無駄に増えているんじゃないのか?



いく→行く
はじめた→始めた
おれ→俺
ふたつ→二つ
ちがう→違う
きみ→君
こと→事
ぼく→僕
われわれ→我々
おまえさん→お前さん
ほかのこと→他の事
つづける→続ける
まっすぐ→真っ直ぐ
できない→出来ない
あきらめるまえ→諦める前
ゆうべ→昨夜
はいって→入って



こんな簡単な漢字でさえひらがなにするのは
何でなんだ=====3

内容との関係上ひらがなになるのなら解るけど
意味の把握が楽に出来るように漢字を増やして欲しい。



2010年4月中ごろ








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